ホリ:お待ちください。待って。待ってともうしゃげました。
聞こえないのですか。どちらへ行かれるです?
安兵衛:お前には関わりない。
ホリ:どうして関わりないです?私はあなたの妻です。
勝手に死なれたっら困ります。
安兵衛:死ぬ?
ホリ:わからないのですか。あだ討ちは人殺しです。
無事 でも切腹
安兵衛:覚悟
ホリ:なんで。。 なんでそうなこと覚悟できてしまおうですか。
切腹すれば死んでしまうのですよ。
安兵衛:今の俺は死んだと同然だ。
俺だけではない、郡兵衛

男として生きておると言えるか。
ホリ:生きてます。生きてるわ。
だって、あなたは今あたしの前に、ここにいるじゃないですか。
こんなに汗をかいてるし、ひげだって毎日伸びてるし、
夕べもとくわんでお酒を飲んだわ。うまいと言ってくれました。
生きてます。
安兵衛:だけど俺は武士だ。今のままじゃ、生きてる意味がない。
ホリ:あります。
安兵衛:ない。生きることにそもそも意味なんてない。
いかに死ぬか、いかに先に朽ちるか。
武士は死ぬ場所へのために日々生きてる
ホリ:つまり、どうしても、あだ討ちをすると言われるのですね。
なら、離縁してください。
あなたは生きておられぬのでしょ?
幽霊と暮らしていくことはできません。
安兵衛:わかった。その方は俺も心をいきなくやれる。
短い間だったが、世話になった。

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